製本工場で製本作業のアルバイト

一年ほど製本工事でアルバイトをしていた時の話です。製本工場でのアルバイトの仕事は製本機に本の元となる折られた紙(ページ)の束を投入することです。
難しいことは一切なく、ただ投入する向きとそのページに汚損は無いか、その投入口に正しい正しい物を投入しているかどうかを確認するだけです。

やることは単純なのですが、基本的に立ち仕事である点。
そしてページの束は自分で機械の前まで持ってこなくてはならないなど、少し体力も必要です。
また一人で多数の機械を担当することになるとスピードも求められるため、一気に大変になります。
ですが万が一投入する物を間違えたとしても大抵の場合、機械が画像認識でストップをかけてくれるので、後から乱丁本を探すということには滅多になりません。

製本機での作業自体はすぐ慣れると思います、しかし、もっと面倒な作業もあります。
例えば製本された本へのカバー掛けです。機械でできるものも多いのですが、たまに人力ですべてこなすことがあります。
その際は机の上に本を山積みにして一冊づつひたすらカバーをかけていきます。本の表紙に傷をつけたりしないよう気を付けながら作業する必要があります。

そして最も面倒な作業が製本されてしまった本の修正作業です。製本作業が完了した後に一部のページからよごれが見つかることがあります。
これは投入するものがページの束であることから、間に挟まっているページの確認が表面に来ていて
確認しやすいページと比べて疎かになってしまうことから発生します。
このことで責められることはまずないので気にすることはありません(むしろ作業中、特に作業開始直後に気がつくと滅茶苦茶褒められます)。

実際の本の修正作業ですが、砂消しでもってひたすら一冊づつ該当箇所の汚れなどを削り取っていく作業です。
コミケなどで似たような作業をしている方もいらっしゃりますが、まさにそれです。
それを商業規模の冊数こなします。へたをするとほぼ一日、その作業で終わるということもありました。

こちらの作業の場合、座って作業を行うのですが、とにかく目と肩が疲れます。
こちらも慣れてしまえばどうということはないのですが、やはり物が出来上がっていく作業の爽快感に比べると地味で気分的に大変でした。
他にもいくつか雑用みたいな仕事をしました。

時給に関してはあまり期待しない方が良いです。慣れれば誰でもできる簡単な仕事なので。
私がバイトしていた会社では、社員食堂が利用可能だったり、幾つか給料以外のサービスがあったので実際にはそこまで悪くない仕事でした。
割と高齢の方が多かった記憶がありますが、会社によるかもしれません。
この感想が皆さんの少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。