空き家バンクを市町村自治体で行うには限界がある【空き家バンクに相談しにくのを辞めたほうがいい理由】

自治体(市町村)に空き家バンクの相談をして、実際に利用しても、高く売れないどころか、いつまで経っても処分できないケースも・・・!

じつは自治体の空き家バンクを利用しても売れ残ってしまう可能性が高い理由があったのです。

今回は、市町村の自治体の空き家バンクを利用しても空き家問題を解決できない可能性がなぜあるのか、2つの視点から考えていきます。

【1.行政サービスの限界】
空き家の発生が自分の身に降りかかった、なんとかしなきゃ、そこで、どこに行くのかが問題です。

市町村には「空き家バンク」という制度があります。

増える空き家の情報を掲載し、誰かに、願わくば市町村の外から若い人を呼んで空き家に移住してもらおう、と目論む制度です。

しかし、これが(例外もありますが)ほとんどうまくいっていません。

ホームページを立ち上げて空き家物件情報を晒しておしまい、そんな市町村がどれだけ多いことか・・・。

そして、空き家の相談に市町村の空き家バンク行こうものなら、だいたいの人はその対応のダメダメさに業を煮やし無駄足を運ぶことになります。

なぜか、わたしたちのところに相談に来る人は、大なり小なりそのようなお話をされていらっしゃいます。

その理由は、3つあります。

その1.職員の人数が少ない
その2.新設部署で、3年すれば人事異動
その3.行政職員の使命
まず、「その1」については、市町村役場に行って空き家対策課に行って様子を見てみればすぐわかります。

市町村も経費削減の中、空き家対策課を設けて人員を割り振っていることだけでも立派なことだと思います。

しかし、人員は少しでしかないのも現実です。

次に「その2」ですが、空き家対策課はここ1~2年で新設された部署ですから、担当者も 全くのゼロからスタートです。

仕事がら、ときどき空き家対策担当の方とお話しすることがありますが、

「空き家対策の法律ができてもまだ市町村レベルにまで降りてきてないんですよ~」

と完全に受け身の姿勢です。

それもそのはず、空き家対策課に異動する前は、図書館担当だったり市長秘書室だったり、畑違いの部署から異動したのですから無理もありません。

そして、3年もすればまた別の部署に異動してしまうことでしょう。

引き継ぎはされるでしょうが、なかなかノウハウが蓄積できないことになります。

そして「その3」です。

空き家問題の本質は「人の問題」です。

その対策は、当然空き家になる前、一人暮らしの段階からスタートされるべきです。

そして、この人の問題というのは、家族関係だったり近所付き合いだったり、持病の問題だったり、人それぞれなのです。

このような根深い個々の問題に対して、行政のできることは限られてくるのです。

行政が、親族間の争いに割って入ることなどできませんし、しません。

市民の税金で運営され、市民に等しくあまねく行政サービスを提供するのが使命なのに、「目の前で困っている一人暮らしの人に どのような手を差し伸べるか?」というある意味エコヒイキは、最初からできないのです。

だから、人ではなく、空き家という建物に対して施策を打つ、先に述べたように空き家の発生という結果を見て結果に働きかけるので、問題の本質には届きません。

しかし行政は、そうするしかないのです。

行政の限界は、ここにあるのです。

【2.仲介手数料のしくみが空き家の放置につながる】
話を空き家バンクに戻しましょう。

多くの市町村では、地元の不動産業の業界団体と提 携して「空き家バンク」事業を行っています。

仕組みとしては、不動産会社の仲介物件が空き家バンクに掲載され、

それはつまり、市役所のホームページで紹介され、

ほしい人が市役所で申し出れば、つまりは地元の不動産会社が紹介される、

そんな仕組みで最初から不動産会社に行けば話は早いのですが、実はこの仕組みも空き家の放置につながる理由の1つになっています。

売買が成立した際に不動産会社が報酬として受け取ることができる報酬額は、宅地建物取引業法で厳しく規定されています。

報酬上限として、以下のようになっています。

売買金額が200万円まで・・・報酬額の5%
売買金額が200万円から400万円まで・・・報酬額の4%+2万円
売買金額が400万円以上・・・報酬額の3%+6万円

では、世の中の地方の空き家、たとえば 100万円の空き家の場合の報酬額を計算してみましょう。

「200万円まで」を適用して、

(報酬額) = (売買金額100万円)× 5% = 5万円

たった5万円ですよ。

しかも5万円が上限で、名目の如何にかかわらず5万円以上の報酬を受け取ること、いや、受け取らなくても請求するだけで宅建業法の重い罰則(3年以上の懲役または100万円以下の罰金またはこの併料)となってしまうのです。

ついでに、 免許取り消しで5年間業務ができなくなる行政処分も課されます。

大都市ならともかく、地方の不動産、特に空き家のような物件は、不動産業者にとっては「まったくオイシくない」案件です。

日本の国土の8%は田舎ですから、そういうところに「値の付かない」不動産がゴロゴロ転がっているのです。

あなたが空き家の処置に困って不動産屋に相談に行くとしましょう。

相手はプロ、即座に値踏みしてきます。

「ビジネスにならない」と思われれば、適当にあしらわれるか、せいぜい市役所のホームページにあなたの空き家が長期間、さらされるだけなのです。

現金な世の中ですが、それが現実なのです。

【まとめ】
いかがでしたか?

今回は、空き家バンクについて以下の点を解説していきました。

  • 行政サービスの限界
  • 仲介手数料のしくみが空き家の放置につながる

空き家バンクは市区町村自治体で対応が異なりますが、「少しでも高く空き家を売却したい」という気持ちがあるのであれば、空き家バンクはおすすめできません。

では、どうすればいいのでしょうか。

それは、空き家の価値をしっかりと知っておくこと。

HOME4Uなどの不動産一括査定サイトで空き家の価値を知っておくことで、その後の売却もスムーズになります。

不動産一括査定サイトを利用して査定額を見てもらえればわかると思いますが、空き家バンクを利用した処分の方法よりも明らかに高く売却できる可能性があるのです。

わたしも利用したことのあるHOME4U。

HOME4Uの査定の評判や口コミは高評価なものが多いので、興味のある方は空き家バンクの相談を市町村の自治体に相談する前に、HOME4Uで無料の一括査定を受けてみて空き家の価値を知っておくのがおすすめです。