買った空き家を自分で改造しようとするとき、ポイントになるのはやはり「改造しやすい空き家を探す」という点です。
今回は、改造しやすい空き家探しの3つのポイントを紹介していきます。
- 一瞬でわかる素材となる空き家の探し方
- 空き家に出会った「瞬間」を大事に
- 工具をそろえよう
上記3つのポイントについて深堀していきましょう。
1.一瞬でわかる素材となる空き家の探し方
リフォームの素材の空き家としては木造の在来構法、つまり、日本でありふれた柱と梁で支える家が良いのです。
これなら壁を抜くこともできますし、内部構造もある程度予測できます。
自分で板を貼り付けて耐震工事もできます。
逆に、避けるべきものを挙げてみましょう。
①鉄骨造、コンクリート構造は避ける
これらは改造ができません。
いや、できないことはありませんが、コンクリートプレーカーや溶接が必要になりますので、自分でやるには大変すぎです。
騒音や振動も半端でないので、手に負えないのです。
空き家を改造するには木造に限ります。
大手ハウスメーカーの家は、一見して木造に見える雰囲気があっても、実は鉄骨造やコンクリート造のことかあります。
建物の構造が見てわからなければ、登記簿謄本で確認できます。
②2×4構造は避ける
これも大手ハウスメーカーの家によく見かけられます。
2×4(ツーバイフォー)構造とは、外国生まれの木造構法で、家の重さを壁全体で支えるようにできています。
これを避ける理由は2つあります。
1つ目は、「湿気に弱い」。
外国生まれの2×4は、日本の湿度の多い気候に適しているとは言いがたく、通気が悪くカビやすいのです。
2つ目は、「間取りが変えられない」。
2×4構造の家は、壁で重さを支える以上、壁を取り去ると家自体が傾き、間取りの変更ができないのです。
古い空き家を改造する場合には壁を取り去って、部屋数を減らして部屋を広く使うことが多いので、このような構造は避けなければなりません。
③傾いている家は避ける
1メートルにつき2~3ミリ、大目に見て5ミリ程度の傾きはかまいませんが、立った感覚で傾いているとわかるような家は、改造すればますます傾くことになるので、避けるべきです。
そんな家に長くいれば水平垂直がおかしくなり変になっちゃいます。
ちなみに市町村から解体勧告となる「特定空家」の基準では、1メートルにつき5センチ以上の傾きです。
これは床にパチンコ玉を置くと、結構な音を立ててあっという間に転がっていく傾きで、こういうのは問題外です。
④瓦の交換時期が来ているものは避ける
家の改造を自分でするのはかまいませんが、自分ではできない工事があります。
それは「屋根」です。
放置すれば雨漏りの原因となり、かつ、落ちると危ない高い場所にあるため、おいそれと自分で工事できません。
プロに頼むのが現実的です。
日本瓦の場合、その費用、1㎡あたり約2万円ですから100万円の単位で用意する必要があります。
通帳と相談しておくことが必要です。
瓦はどんなに長くても50年で交換と考えておきましょう。
2.空き家に出会った「瞬間」を大事に
空き家管理を行っていると、ときどき「空き家を買いたい」という相談があります。
管理している空き家の中には「売っても良いよ」と持ち主から言われているものもあるので、ときどき空き家に案内することもあります。
そこで得られた経験則が1つあります。
「最初の一瞬で決まる」
本当に空き家を買う人は、室内に案内するやいなや気に入って、出るときにはすっかり気に入り「これ買います」となります。
こちらが「もうちょっと落ち着いて考えてくださいね」といさめるほどです。
この直感、第六感、勢いといったものは、恋愛や結婚に似ているのかもしれません。
逆に、駅の距離や間取りなどいろいろ考えたり比べ出すような人は、まず購入しません。
皆さんが、空き家を見に行くときは、この直感を大事に、とくに空き家の中に入った瞬間の空気感、肌感覚、見た感じを研ぎ澄ましてください。
あとからわかってくる多少の欠点はどの家にもありますが、「あばたもえくぼ」の言葉のとおり、気に入れば欠点含めて気に入るものですし、買った後に改造してネガティブな部分をなくすことだってできるのです。
この経験則は、私が見た、安く空き家を購入した人に共通しています。
人と人の関係と同じように、家と人の間にも「縁」や目に見えない「波長」というものがあり、無意識のうちに、一瞬で決着がついているのです。
逆に、空き家をいくつも案内されてあれこれ悩むようだと、感覚が鈍るか、あるいは目が肥えてしまい、かえって決められなくなってしまうのです。
お見合いと同じです。
工具をそろえよう
築年数の古い空き家は、必ず改造・リフォームが必要です。
とくにお安く買える空き家は、自分で改造しようとする人が多いように感じます。
単に安く仕上がるからという人もいれば、暇つぶしとして余裕のある時間の趣味とする人もいます。
筆者は空き家を買って仕事の合間にちょっとずつ改造していますが、最低限必要な工具は、右の5つです。
電動工具は新品を買う必要はありません。
オークションサイトなどで中古を購入すれば十分です。
いらなくなったら売ることもできますから、プロの大工さんも使うしっかりした国産メーカーのものを購入しましょう。
まとめ
いかがでしたか?
空き家を買って、改造したい場合にポイントになるのは以下の3つでしたね。
- 一瞬でわかる素材となる空き家の探し方
- 空き家に出会った「瞬間」を大事に
- 工具をそろえよう
特にポイントだったのは、「改造しようとしている空き家が木造なのかどうか」という点です。
立地なども加味したくなりますが、改造をメインに考えるのなら、やはり木造なのかどうかがポイントになります。
とはいえ、「木造だからと言って、改造をたくさんしたら失敗してしまうのでは・・・」と思うかもしれません。
そこは費用対効果の話にもなってきますが、安く手に入った空き家であれば、最悪のケース、住めなくなっても大丈夫です。
というのも、住めないくらいに改造に失敗してしまったのなら、更地にして土地を売却してしまえばいいからです。
更地にして土地を売却する形にすれば、購入希望者も割といるものです。
ただし、購入希望者がいるかどうかは不動産会社の腕次第なところもあります。
そこで、土地売却をするとなったときにおすすめなのが「リビンマッチ」。
リビンマッチの不動産査定は複数社に一度でできる便利ツールです。
便利ツールといっても、ネット上で査定をしてくれるサイトとなっています。
リビンマッチは、不動産査定業界でも老舗の査定サイトで、年間440万人以上が利用しています。
月に37人、1日に1~2人が利用していることになりますね。
特に、リビンマッチは土地活用にもたけているので、売却以外の提案も使い方次第では可能です。
空き家の改造に失敗したら、リビンマッチを利用する。
これが筆者のおすすめで王道な進め方です。